江崎グリコがつくる化粧品。商品開発ノウハウゼロから7年、担当者に聞く裏話
若林歩(江崎グリコ株式会社 マーケティング本部 ダイレクトマーケティング部 カテゴリーマネージャー) / 八ッ橋宏子(江崎グリコ株式会社 健康科学研究所)
2019.02.05

「研究所から生まれるシーズ×マーケティングが拾うニーズ」で、新たな事業を生み出す

HIP:2018年にはggブランドをリニューアルし、新たに3種類のサプリメントやコラーゲンドリンクがラインナップに加わりました。こちらにもユーザーの声が反映されているのでしょうか?

若林:はい。今回のリニューアルは、まさにお客さまの声の集積によるものです。グリコにお越しいただき研究員が直接お話を伺ったり、ご家庭を訪問して化粧品棚を拝見したりと、さまざまな方法で調査を重ねました。

そこで得られた声をもとに、パッケージはより使っていただきやすいかたちにリニューアル。また、「身体のなかから美を支える」という、よりグリコらしい美容と健康の提案をしたいと考え、化粧品に加えコラーゲンドリンクやサプリメントを新発売しました。調査から、丁寧に暮らしている方ほど食べ物に気を遣っていることがわかったからです。

コラーゲンドリンクには血流への機能が確認された「ヘスペリジン」という成分、サプリメントには「PapriX」という赤パプリカ由来の抗酸化成分が使われています。

スキンケア商品にも「PapriX」を新たに配合しリニューアル。うっすらとした橙は成分由来の色

HIP:「ヘスペリジン」や「PapriX」はggのために開発されたのですか?

八ッ橋:いえ、私たちが日ごろから研究しているさまざまな成分のうちの一つでした。健康科学研究所ではより良い製品づくりのため、食品の有効成分などにまつわる研究を常に進めています。

HIP:つまり、マーケティングから持ち込まれたアイデアを、すぐに実現できるリソースがあったと。自前の研究所を持つグリコならではですね。

八ッ橋:そうですね。私たちの研究所がある梅田オフィスと本社は電車でひと駅の距離にあり、何かあればすぐに相談できる環境です。特に、化粧品の話が持ち上がってからは定例のミーティング以外にも、ことあるごとに話をするようになりましたね。

マーケティングからはお客さまのニーズを研究所に伝え、研究所からは「いま、こんな面白い研究があるよ」というシーズをマーケティングに伝える、そんな仕組みができあがっています。今回のリニューアルも、そういったコミュニケーションのなかから生まれたものです。

HIP:ちなみに、現在はどんな分野の研究に注力されているのでしょうか?

八ッ橋:具体的に発表することは難しいのですが、研究テーマにもトレンドがあります。たとえば少し前だと紫外線に対抗するための「抗UV」、最近ではブルーライトが肌に与える悪影響についての研究などが盛んです。年々変わるトレンドを敏感にキャッチし、まだ世間に知られていないことをいち早く発信できればと常に心掛けています。

女性中心のメンバー構成。お客さまに近い視点から社内に提案していく

HIP:リリースから7年目に入ったggブランドですが、現状の課題と今後の目標を教えてください。

若林:おかげさまで発売以来、売り上げは年々伸びています。ただ、当初に掲げていた目標からすると、もう少し頑張らなければならない状況ではあります。このまま事業基盤をしっかりと組み上げて、会社の利益に貢献できるビジネスに育てていくのが当面の目標ですね。

携わっている個人として感じるのは、いまは小規模ゆえに、自分で描いた構想をかたちにしていけるワクワク感があるということ。加えて、通信販売ですぐにレスポンスが得られるのもやりがいが大きいです。

HIP:いま、ggのチーム規模はどのくらいなのでしょうか?

若林:マーケティングサイドとしては、私の下に3人のメンバーがいます。特徴的なのは、消費者調査を担当するCR部、パッケージを担当する広告部の担当者も含め、関連部署にも女性の担当者が多いこと。グリコとしては珍しいんです。たとえば「45歳から肌が変わる」というアンケート結果が出ても、男性にはなかなか実感として理解しにくいこともありますよね。どう社内を通していくか、お客さまに近い女性の視点から意見を出し合ってチームで頑張っています。

「グリコの理念『おいしさと健康』を体現するようなブランドに育てていきたい」

HIP:研究チームの今後の目標についてはいかがでしょうか?

八ッ橋:研究所としてはこれまでと同様に、グリコーゲンやPapriXといった独自素材の研究をさらに進めていきます。また、現状はまだ世間で「グリコ」と「化粧品」のイメージが結びついていません。ggブランドを信頼して使っていただくためにも、学会や論文発表などを通じて研究成果を広めていきたいと考えています。

HIP:ggを通じてグリコの研究力の高さが広まれば、ブランドイメージの向上にもつながりそうですね。

若林:はい。グリコは「おいしさと健康」を企業理念に掲げているように、「健康」を大きな柱としています。ただの食品メーカーにとどまらない、グリコの多面性を深く理解してくださるお客さまを増やしていくことも、この事業の目的の一つです。これからも「グリコらしい美容」を突き詰め、お客さまに「食と美を一緒に提案していくブランドといえば、グリコのggだよね」と言っていただけるよう努力していきたいと考えています。

Profile

プロフィール

若林歩(江崎グリコ株式会社 マーケティング本部 ダイレクトマーケティング部 カテゴリーマネージャー)

2016年入社。ダイレクトマーケティング部のカテゴリマネージャーとして、ggのほか「バトンドール」「オフィスグリコ」「ぐりこ・や」など、新しい販売チャネルを担当している。

八ッ橋宏子(江崎グリコ株式会社 健康科学研究所)

2012年入社。グリコーゲン研究チームで、グリコーゲンの生理機能研究を担当。

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