AIを誰もが使いこなせる未来へ。ソニーとUEIが融合したギリアの挑戦
清水亮(ギリア株式会社 代表取締役社長) / 齋藤真(ギリア株式会社 取締役副社長) / 数藤剛(ギリア株式会社 財務・管理担当取締役)
2019.03.29

エンジニアが集中できる環境を。異文化を融合させるためのオフィスのこだわり

HIP:前回HIPにて、「大企業とベンチャーの文化の融合」について、ギリア社員のお二人にインタビューしました。経営陣目線で、異文化を融合させるために工夫したことはありますか。

清水:まず、オフィスのレイアウトですね。AIの会社なので、エンジニア陣が快適に働ける環境づくりにこだわりました。静かな環境で開発に集中できるよう、電話や打ち合わせが多い総務や営業の部署と、エンジニアの部署の部屋を完全に分けました。

ただ、エンジニア陣と営業陣、ソニー出身者とUEI出身者など、異なる文化を融合させるには、気軽にコミュニケーションをとれる場が必要不可欠。だから、エンジニア陣と営業・総務陣の作業室のあいだにカフェスペースをつくりました。

カフェスペース
カフェ越しに見えるエンジニアの作業室。雑音がない環境で仕事に集中できる

HIP:オシャレなオフィスですよね。

清水:オフィスのデザインは、企業ブランディングに直結しますからね。ギリアは「世界で戦えるAI会社」を本気で目指しています。口では「世界を目指す」と言っておいて、われわれの本丸であるオフィスが貧相だったら、お客さまも不安になるでしょう。

それに、きれいで働きやすい環境は、社員のモチベーションアップにもつながります。毎日通う場所がみすぼらしいと、日々、気分が下がると思います。カフェスペースの本棚には、定期的に新しい本を置くなどして、みんなの知的好奇心や気分が上がるように工夫しています。

評価制度も、大企業とベンチャーのブレンド。安定した基盤のうえで、チャレンジ精神の持続を図る

HIP:スタートアップとしてまだまだ整えなければならない部分もあるかと存じます。現状、どういった部分を成長させたいと感じますか。

数藤:財務の観点でいうと、当たり前ですが、社員のご家族やさまざまなステークホルダーまで見据えた経営をすべきだと思っています。スタートアップだからといって甘えは許されません。多くの人を背負っていることを意識して、その人たちに誇りを持ってもらう企業にしていくためにも、新たな仕組みづくりに励んでいます。

齋藤:新たな仕組みでいえば、人事制度も見直したところです。とくに評価制度の刷新には力を入れています。UEI出身者は、全員がギリアに転籍しているのですが、ソニーの出身者は出向です。

UEI時代には明確な人事評価制度がなかったので、UEI出身者に評価制度を理解してもらうためにキャリアプランの実例も説明しながら実施しました。さらに、社員の一体感を高めるためにも、ソニーからの出向者にもギリアの評価制度を理解してもらいました。

HIP:ベンチャーの長所は、スピード感やチャレンジ精神だと思います。しかし、規模が大きくなると、その規模に応じた組織や仕組みづくりで壁にぶつかるケースも多いですよね。

清水:まさにUEI時代にそれを経験しました。社員が120名くらいに増えたとき、部署ごとに働き方が変わってしまったんです。勤務体系も、出社時間も、出勤日もバラバラ。それだと、一緒の会社でやっていく必要がないとなり、結局は分社化しました。そのとき痛感したのは、人材マネジメントのノウハウを知らないのは、ベンチャーの弱みだということ。

ソニーと一緒にやれてよかったのは、そういった経験がある人が大勢いて、その仕組みをギリアで活かせることです。一から人事を育てて、制度や仕組みを社内に浸透させようと思ったら、かなり時間がかかりますからね。

HIP:どういった評価制度に変更したのか気になります。やはり、ソニーの人事制度を反映したのでしょうか。

齋藤:ソニーだけでなく、ほかの大企業でも当たり前のことだと思うのですが、社員のポジションごとに「責任」と「権限」ですべてを定義することにしました。役職を得るために必要な要素も整理しましたね。例えば、課長になりたければ、これとこれができなくちゃダメだよ、というのを具体的に提示しています。

清水:一方で、管理職になることを求めず、技術者としてのスキルや知識を極めたい社員には、別軸で評価する仕組みも整えています。大企業の評価制度とベンチャーの評価制度のいい部分がブレンドできたのではないでしょうか。

「日本初の、世界と戦えるAI企業」へと成長するために、今後も大企業の仕組みを取り入れながら安定した組織の基盤を築き、ベンチャーならではのチャレンジ精神が持続する企業づくりをしていきます。

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Profile

プロフィール

清水亮(ギリア株式会社 代表取締役社長)

新潟県長岡市生まれ。プログラマーとして世界を放浪した末、2017年にソニーCSL、WiLとともにギリア株式会社を設立し、「ヒトとAIの共生環境」の構築に情熱を捧げる。東京大学先端科学技術研究センター客員研究員。主な著書に『教養としてのプログラミング入門(中央公論社)』『よくわかる人工知能(KADOKAWA)』『プログラミングバカ一代(晶文社)』など。

齋藤真(ギリア株式会社 取締役副社長)

1991年にソニー株式会社に入社。半導体エンジニアとして10年間キャリアを積んだのち、技術戦略スタッフに転身し、ソニー全社の技術戦略立案などを担当。2012年よりソニーコンピュータサイエンス研究所に出向。新規事業創出プロジェクトを担当する。2015年に株式会社ソニーグローバルエデュケーション、2017年にギリア株式会社の設立を主導し、両社の経営陣として参画。

数藤剛(ギリア株式会社 財務・管理担当取締役)

東証一部上場企業などにおいて、管理部門全般の実務およびマネジメント、資金調達・事業計画立案などのキャリアを積むなかで、MBOを行ったベンチャー企業の管理部門取締役としてIPOを実現。2018年にギリア株式会社に入社、経営管理部門を統轄。ファイナンスのほか、内部統制の整備、予算管理、財務戦略の立案等を推進し、同年に取締役就任。

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