人生100年時代の働き方を幸せに。東京海上グループの新規事業「プロドア」とは
市原大和(株式会社東京海上日動キャリアサービス プロドア事業責任者) / 村上隼也(東京海上ホールディングス株式会社 デジタル戦略部企画グループ)
2020.09.28

「解決したい課題」と「強いやる気」。ふたつそろってこそ新規事業は生み出せる

HIP:選考の際に重視しているポイントはありますか?

村上:一貫して変わらないのは、「人」をしっかり見ているところ。新規事業は、誰もやったことがない領域への挑戦で壁も多い。それを最後までやりとげられるタフさと思いを重視しています。審査の間に行われる研修でも、社外メンターの方に応募者の取り組み方や気概を見ていただき、本人や事務局にアドバイスして貰っています。

HIP:では、企画内容の部分で重視されているポイントは?

村上:本業で忙しいなか考えられた案なので、すぐに事業化できるほど洗練されているものはほぼありません。われわれもそこまでの精度は求めていない。一番重視しているのは、解決したい社会課題の設定が明確かどうかです。また東京海上グループの強みを活かせるかどうか、会社の戦略との親和性、保険とのシナジーなどわれわれがやるべき理由も問うようにしています。

HIP:プロドアが採用されたのも、担当者のやる気、会社とのシナジーなどが評価された結果でしょうか?

村上:まさに、そうですね。市原さんは自身の応募案に対して、「絶対に実現するんだ」という強い想いを持っていましたし、地方の中小企業が人手不足で悩んでいるという社会課題を解決することは、東京海上グループが取り組んでいる地方創生にもつながると考えたからです。すでに東京海上グループでは、地方銀行や地方自治体ともさまざまな領域で連携してサービスを提供しているので、プロドアについても事業シナジーを生み出していくことが出来るのではないかと思っています。

HIP:市原さんは新規事業を推進するなかで、東京海上グループの強みを感じることはありましたか?

市原:プロドアは、登録者であるプロ人材と業務委託していただく企業を集めることが重要なのですが、両方に強みを持つのは東京海上グループならではと感じています。登録者のターゲットであるミドルシニア層にとって東京海上グループは信頼できる会社という印象を持っていただいているようで、驚くほど優秀な方の登録が多く集まっております。一方、企業を集める際も、東京海上グループの安心感から話を聞いていただける機会が多いように思います。また保険のおつき合いがある企業にアプローチしやすいという側面もありますね。

どんなに高い壁でも絶対に実現したいという強い想い

HIP:最終審査を通過し、実際に事業化に向けてプロジェクトが動きはじめます。まず、なにから手を付けたのでしょうか?

市原:合格直後の2019年2月、デジタル戦略部に異動するより前に、事業化のための下地づくりを独自で行いました。というのも事業化には、もっとも業務内容が近い部署にお願いして新規事業を実行する部門を設置するか、新しい部署を立ち上げる必要があると考えたからです。

幸い、東京海上グループには人材ビジネスを行う東京海上日動キャリアサービスがあった。そこで社長にプロドアを事業化してもらえるよう直接説明する機会を頂きました。ノーアポにもかかわらず45分も話を聞いてくださり、「面白そうだから、一緒にやれるといいね」と言ってもらえました。

そのあと、6月1日にデジタル戦略部に異動。そこでプロジェクトの内容をブラッシュアップして、9月1日にTCSに異動したという流れです。

HIP:社長に直接説明するのは、大企業のお作法からするとかなり大胆な行動だと感じます。

市原:大事なのは、いかに早く事業化を実現するか。既存プレイヤーは本業が人材業界の会社が多いなかで、金融業界から参入したのは珍しいケースですが、他業界でも同様のビジネスを検討していることも耳に入ってきます。どこよりも早くローンチしたかったので、スピード感を意識して動いていました。

HIP:そんななかでも、最終的にはTCSに異動してから約1年でローンチにこぎ着けています。その理由はどこにあるのでしょうか。

市原:プロドアの事業化を推し進めるにあたり、私はどんなに高い「壁」があっても必ず実現するという強い信念を持って提案していました。実現までハードルはありましたが、会社にも周りのメンバーにもそうした本気度が伝わり、最終的には多くの方々からのサポートをいただきました。事業としてのリスクチェックや契約の正確性など、教えていただくことも多々あり、結果約1年でのローンチができたのだと思います。サポートいただいた関係者の方々へ大変感謝しております。

そうしたサポートをいただいているなかでの事業化であるため、自分としても事業を推進する信念を持ちつつも、東京海上グループの名前でやらせてもらう事業であり、会社のブランドや理念を汚してはいけないという気持ちも強く持っていました。

HIP:市原さんの動き方は、ほかの人には簡単に真似できないとも感じます。こういった動き方がTIPのあり方や東京海上グループの新規事業・新しいビジネスモデルの創出に与えた影響はありますか。

村上:たしかに、プロドアのような例は少ないですね。だからこそ、こうした取り組みにより事業化できたという事実は、私自身会社の強い想いを感じましたし、社員にも、「東京海上グループは、イノベーションに本気だ」という強いメッセージとして伝わったのはないでしょうか。

目指すのは全社のイノベーションに対するマインドの醸成

HIP:最後に、プロドア、そしてTIPが考える今後のビジョンを教えてください。

市原:すでにアプローチをはじめていますが、直近のミッションは全国各地の方々にプロドアを知っていただき、特に専門人材が足りていない地方の中堅・中小企業のお手伝いをすることです。それが叶ってこそビジネスとして成立して、拡大する。虎ノ門ヒルズにあるインキュベーションセンター「ARCH(アーチ)」に入居しているので、大企業の皆様にも新規事業開発の文脈で活用いただきたいと思っています。

最終的には、年齢に関係なく働ける世界をつくるのが目標です。日本の労働市場の大きな課題が「年齢の壁」で、ミドルシニア層の方々の多くがこれまでのキャリアを活かせるような満足のいく就業機会が得られていません。転職活動で年齢を聞かれるのは当たり前です。しかし、本来、経営課題を解決できるスキルや経験を持っているかが重要であり、年齢は関係ないはず。年齢にかかわらず個人のスキルや経験を最大限生かすことができる社会をつくっていきたいと思います。

HIP:労働市場のあり方を変えていきたいのですね。村上さん、TIPのビジョンをおうかができますか?

村上:今回、TIP初の事業化として、プロドアというサービスが実現しました。今後もこの制度から新しい事業やサービス、新しい保険が次々と生みだしていきたいと考えています。その際、そのビジネスモデルがどのように社会に貢献できるのか、何の社会課題を解決できるのか、どんな価値を創出できるのかという点は軸をぶらさずに追求していきたい。そのうえで当社グループの成長に貢献する事業を生み出していきたいと思っています。

またTIPによって、全社員のイノベーションに対するモチベーションやマインドを盛り上げていきたい。TIPの応募数も制度立ち上げ当初は15人程度の応募だったのが、昨年は70人、今年は120人もの社員に応募頂きました。この制度を通じて会社全体のイノベーションマインドが高まり、TIPへの応募に限らず、さまざまな現場から新しいアイデアが生まれ、イノベーションが実現していくような会社に変わっていくのが目標ですね。

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プロフィール

市原大和(株式会社東京海上日動キャリアサービス プロドア事業責任者)

2006年、東京海上日動火災保険株式会社入社。財務部門で資産運用業務に携わり、アラビア語研修生、エジプト駐在、海外のリスク管理業務等を経て現職。

村上隼也(東京海上ホールディングス株式会社 デジタル戦略部企画グループ)

2008年、東京海上日動火災保険株式会社。法人営業やニューヨーク駐在を経て、TIPに応募し現職に。現在は自ら事業開発に携わる他、TIPをはじめとしたイノベーションの文化醸成や人材育成等の業務も担う。

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