カードで英語の瞬発力を養う。メタファーを使う訓練も
- HIP
- 剣道や茶道には「型(かた)」がありますよね。Anchorstar Englishにもあるのでしょうか。
- ネルソン
-
はい。少し前に述べた、相手と通じ合うための手法がそれにあたります。Does that make sense? やCan you say that again? などをある意味定型文として、習得してもらうんです。我々はツールボックスと呼んでいます。
ツールボックスの機能としては、「意味の確認」「再発言の依頼」「言い換え」「期待値の設定」「理解度の確認」「会話への割り込み」があります。
- HIP
- 会話に割り込むための定型文もあるのですか。割り込みは、日本だと無礼とされがちですよね。
- 金巻
- ええ。でも海外だとさほど気にされない。むしろ、割り込まないと遅れをとって損をする場面も少なくないんです。多くの日本人にとって馴染みの薄い文化なので、うまく対応するにはトレーニングが必要なんですよね。
- HIP
- そのツールボックス、つまり型をレッスンで繰り返し練習していくのですか。
- 金巻
- そのとおりです。何度も繰り返すと、マインドセットが変わって、自ずと使えるようになります。剣道や茶道で、自然と体が動くようになる状態ですね。
- HIP
- どうやって型を習得してもらうのですか。
- 金巻
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教科書は一切使いません。瞬発力を磨いてもらうために、カードを用いることが多いですね。
あくまで一例ですが、カードに「根回し」や「空気を読む」など該当する英単語がない言葉を記して、めくった人が英語で意味を説明する、といったトレーニングもあります。
ビジネスパートナーとの会食とかだと、そういった日本特有の文化について聞かれる場面が結構あるんですよね。でも定義の説明って、意外と難しい。だからある程度、体で覚えてしまおう、というわけです。

- ネルソン
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ユニークなところでは、メタファー(陰喩)の使い方もカードで教えています。海外の人って会話のなかにメタファーをいっぱい使うんですよね。
「あの人、ダースベーダーみたいだよね」といったり、「私とあなたは相性がいいよね」と表現するために「私がサラダであなたがドレッシングで……」みたいなメタファーを使ったり。
メタファーを使うことで、印象に残るプレゼンテーションやスピーチができるようになります。
おもしろいことに、受講生のなかでも経営に携わる人は、このメタファーの瞬発力を養うトレーニングに意欲的ですね。必要に迫られることが、多いのだと思います。

1500人から厳選したコーチ陣が売り。ビジネスを成功させる英語プログラム
- HIP
- 福利厚生の一環として社員が英語学習プログラムを受けられるようにしている企業は多いですが、Anchorstar Englishもそのようなかたちでサービスを提供しているのですか。
- 金巻
-
それが、ちょっと違うんです。私たちのクライアントは、福利厚生を管理する部門ではなく、実際にビジネスを企画・運営する事業部門です。
各事業部門の責任者と話しつつ、ビジネス拡大に向けた課題にあわせてカリキュラムをカスタマイズしています。個人の成長を大事にしつつ、ビジネスを伸ばすことにより重きを置いているんです。
- ネルソン
- そんなこともあって、レッスンは私たちが企業に出向いて行っています。就業中に受講できる形態です。事業に向き合う時間をできるだけ犠牲にしないで、グローバルコミュニケーションを習得してほしいですから。

- HIP
- 利用企業は、やはりグローバル企業でしょうか。
- 金巻
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そうとも限りません。ある総合デベロッパーの大手企業のように海外のステークホルダーが増えている企業もあれば、ある人材業界大手のようにこれからグローバル化しようとしている企業もあります。
表面的な会話術ではなく、グローバルコミュニケーション、つまり本質的に通じ合う術にフォーカスしている点が、評価されているのではと感じます。
- ネルソン
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もちろん英語でプレゼンする、海外出張するといったショートタームの課題に対しても、我々は全力でサポートします。他方で、Anchorstar Englishが成し遂げたいのは、もっと大きなことですね。
その1つが、受講者のマインドを変えること。
- 金巻
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ある大手出版社の社員さんの例が、印象的です。その人はもともと英語に苦手意識があって、漫画家さんなどクリエイターを探すときも、国内ばかりに目がいっていたようです。
それが、Anchorstar Englishでグローバルコミュニケーションを習得したことで、苦手意識がなくなっていった。結果、自然と海外のクリエイターにも注目するようになっていったようです。

- 金巻
- すごいですよね。海外のクリエイターが選択肢に入ることで、事業拡大の可能性は大きく広がります。こういったビジネス支援の事例を、どんどん増やしていきたいですね。
- HIP
- なるほど。ところで、コーチはどのような人たちなのですか。
- 金巻
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現在、ネルソンを中心に計5人のコーチが所属しています。全員が海外出身者で、国籍もさまざまです。そしてこのコーチ陣のレベルの高さも、Anchorstar Englishの強みなんです。
コーチの募集を出すととても多くの人が応募してくれて、累計1500人くらいの選考を経て、いまのメンバーになっています。ありがたいことに、高倍率のなかで厳選できているんです。
- HIP
- 人気の仕事になっている理由はなんでしょう。
- 金巻
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まず、比較的良い待遇で募集していることが1つです。すでに述べたように、普通の英語教育以上のものが求められますから。福利厚生も含めて、好条件を提示しています。
あとは、勤務時間が平日の昼間中心なのも英会話の講師としては珍しくて、魅力的に映るみたいですね。一般的には平日の夕方以降や休日に受講する人が多くて、講師の勤務もそういった時間帯に集中しがちですから。
日本の常識は海外では通用しない。大事になのは「世界の一員である」と気づくこと
- HIP
- 最後に、Anchorstar Englishがどうやって生まれたかも聞いておきたいです。
- 金巻
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きっかけは、私がネルソンに出会ったことなんです。学生時代にニューヨークに留学していて、現地で通っていた学校の英語の先生がネルソンでした。
帰国後も英語力をキープしたかったので、ネルソンにお願いして、5~6年くらい彼のオンライン授業を受けていました。

- 金巻
- アンカースターに入社したあと、同僚にも英語を勉強したい人がたくさんいて、みんなにネルソンを紹介したんです。で、気づいたらアンカースターの専属講師みたいになっていた(笑)。
- HIP
- なるほど。そこからどうやって、Anchorstar Englishの立ち上げにつながったのですか。
- 金巻
- 多くの社員がネルソンのオンライン授業を受けていることを聞いた当社代表の児玉(アンカースター 児玉太郎さん、HIPでの過去の記事はこちら)が、「だったら日本に呼んだら?」と言ったのがきっかけです。
- HIP
- それが、いつのタイミングでしたか。
- 金巻
- 2022年の春ですね。それからネルソンが来日して、とんとん拍子で法人向けに事業展開することになった。数か月で事業を設計して、その年のうちに本格始動しました。
- HIP
- 創業者の児玉さんは、かつて所属したヤフーやFacebook Japanでも、日本企業と海外をつなぐことに携わっていたようですね。
- 金巻
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はい。児玉が一貫して持ち続けているのは、もっと日本と世界の連携が増えてほしい、という思いです。日本って島国なので、似た価値観が形成・共有されがちですよね。
ただ「普通こうだよね」という共通認識も、海の外に出ると、意外と通用しない。だからこそグローバルでビジネスをするうえでは、多様な価値観と交わる必要があります。
Anchorstar Englishによって、1人でも多くの日本人が「世界の一員である」ことに気づいてくれて、世界中の人や組織と連携し、新しいチャレンジをしてくれたらうれしいですね。それが、日本のさらなる発展につながると信じていますから。
