2015年3月17日、六本木ヒルズ内のアカデミーヒルズで「変革期を迎えたスタートアップファイナンス」をテーマにしたイベント「Incubation Hub Conference 2015」が開催された。
インキュベイトファンド代表パートナーの村田 祐介氏によるキーノートの後、日本を代表するベンチャーキャピタリストの面々が登壇し、パネルディスカッションを実施した
登壇したパネリストは、 株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ マネージング・パートナーの仮屋薗 聡一氏、グリーベンチャーズ株式会社 ジェネラルパートナーの堤 達生氏、B Dash Ventures株式会社 代表取締役社長の渡辺 洋行氏。モデレーターはEast Ventures株式会社 パートナーの松山 太河氏が務めた。
ベンチャーキャピタルは日本を代表する企業を生み出していくための黒子
松山氏「みなさんそれぞれベテランのベンチャーキャピタリストですね。みなさんのVCとしての投資の概況、どういった会社に投資してきたのか、最近はどこに投資したのかなどをお話しいただきながら、簡単に自己紹介していただければと思います」
![](/assets/uploads/2015/06/150317eyah017-600x400.jpg)
仮屋薗氏「グロービス・キャピタル・パートナーズの仮屋薗です。村田さんのキーノートでも話に出ていましたが、独立系VCの最古参です。来年でVCを始めて20年になります。5億円のファンドからスタートして、これまでに日本だけではなく海外の機関投資家、事業会社から500億円を越える資金を集めて、日本のスタートアップに投資してきました。出資先は最近120件を越えたくらいになりました。これまでには、ワークスアプリケーションズ、アイスタイル、GREEといった企業に投資しています。
ワークスアプリケーションズは7名のとき、GREEは3名のときに出資しました。アイスタイルは、プレIPO段階での出資でした。スタートアップは小さな芽の段階から、上場して新しい産業を創出し、雇用を生む。そして日本を代表する企業となることを目指しています。VCは黒子としてそれを支える仕事だと思っています。
出資先の傾向としては、メルカリやスマートニュースのような日本発世界を狙う企業、そしてスターフェスティバルのようなオールドインダストリーをITで変革しようとする企業に投資を行っています」
![](/assets/uploads/2015/06/150317eyah018-600x400.jpg)
渡辺氏「B Dashは2011年に1号ファンドを立ちあげ、昨年2号ファンドを立ち上げました。私たちは分野を決めて投資していて、インターネット分野全般に投資をしています。注力している分野はゲーム、アドテク、EC、昨年からはスマホメディアにも出資しています。ステージとしては1号ファンドはシード・アーリーステージ、2号ファンドはレイターステージまで幅広くカバーしています。これまでの出資先にはgumiやGunosyがあります。バイアウトした事例だとアドテクのスケールアウト。同社はKDDIに買収されました。」
![](/assets/uploads/2015/06/150317eyah019-600x400.jpg)
堤氏「GREE Venturesの堤です。GREE Venturesは独立系VCではなく、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)という枠に入るのですが、2人のパートナーは両方とも個人のゼネラル・パートナーとしてファンドに関わっています。そのため、実際は独立したVCとして活動しているファンドです。ファンドはまだ1号ファンドのみで、2014年の5月に立ち上げた60億円ほどの規模です。
日本と東南アジアを中心に投資をしていまして、主な投資先はスターフェスティバルやRetty、Kaizen Platformになります。ファンドのマネジメントの都合上、シード・アーリーステージの案件が8割、最近ではそれ以外にもラクスルやランサーズといったプレIPO案件も担当しています。
投資先の得意領域は大きく3つに分けられます。広い意味ではアドテク、狭い意味ではマーケティングエンジニアリングと呼ばれる領域に投資を行っています。サービスECと呼ばれるサービス業のEC化領域、あとはヘルスケアの分野ですね」
松山氏「みなさんありがとうございます。ちなみに私のいるEast Venturesはシード期のスタートアップに最初に投資するのが基本のスタンスとなっています。最近話題になることの多いGunosyやメルカリ、昨年上場したgumiやフリークアウトも創業期から投資させてもらってます。特徴としては、共同パートナーに衛藤バタラという人間がいて、ミクシィの創業者だった人間ですが、サービス作りの経験もあるVCというところです。」